家庭裁判所が扱った相続財産をめぐる争いは、昭和47年で約5,000件、平成18年で約1万2千件に達し一層増加傾向にあります。そこで、自分の死後に遺産分割協議の際、子供や親族間で起こる争いを未然に防ぐために、遺言を書いて残しておくことが有効です

 特に遺言が有効な場合は次のとおりです。

  ①子供がいない夫婦

  ②行方のわからない相続人がいる  

  ③内縁の妻に財産を残したい  

  ④身体に障がいを持った子供により多くの財産を残したい 

  ⑤家業を継承する子供に株式の大部分を残したい  

  ⑥財産を与えたくない相続人がいる ・・・  自分の意思で配分を決めることができます。
 

 失踪中の相続人がいる場合、遺産分割協議ができないことになりますが、遺言があったために失踪中の相続人に関係なく相続手続きができたケースもありました。 (全員参加しない遺産分割協議は無効)

 民法では、遺言の種類を複数に分けて規定しておりますが、遺言を業務で取り扱っている事務所でも、おおよそ自筆証書遺言作成支援公正証書による遺言の作成支援業務がメインです。

 文字通り、全文を自分の手で書く遺言です。すべて自筆なのでお金がかからず、気が変わった場合など作成しなおすことで簡単にできてしまいます①全文を自筆で書いて、②日付を書いて、③氏名を書いて、④押印(認めで良い)

 ただし、自筆証書遺言が出てきた場合には、開封せずに家庭裁判所にて相続人立会いのもと検認の手続きが必要です。

 パソコンで作成したものや、カセットテープへの録音、ビデオによる遺言、代筆による遺言は無効です。あくまでも自筆です。

 病気や文字が書けない場合には、次の公正証書遺言が有効です。遺言内容を公証人に告げることができれば作成できます

 言葉をみると一見面倒に思えますが、実は先ほどの自筆証書遺言より簡単です。公証人という法律の専門家が作成しますので、無効になることはまずありません。公証役場に原本が保管されているので、紛失や改ざんの心配もありません。また遺言者の名前が登録されているので、全国どこの公証役場からでも検索が可能で、保管されている公証役場で遺言書の写しをもらうこともできます。

 また、もっとも公正証書遺言が便利な理由は、公証人が遺言書を作成してくれる点です。病気やさまざまな理由で文字が書けない人の場合でも、遺言内容を公証人に口頭で告げることができれば良いのです。公証人は自宅や病院など、遺言を作成したい方のために出張もしてくれます。

 ただし、遺言の内容により取り寄せる書類があります。証人2名の立会いも必要です。

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